引き続き、長谷寺のことを考えている。
今日は長谷寺のだだ押しのことで見て、聞きたいということがあり、初瀬まで見学に出かけた。
しかし、タイミングが悪くお会いできなかった。
誰と・・何を?と誰しも関心を持つだろうが、ここは今しばらくご猶予願いたい。
とにかく、時間ができた。
愛宕山に登った。いわゆる真の化粧坂である。愛宕権現が祀られている。
ここからの長谷寺の眺望がすごい。
もう一枚、長谷寺全景である
長谷寺の十一面観世音菩薩立像のことを考えた。本堂のご本尊で国の重要文化財に指定されている。
像高が10メートルを超える。
長谷寺のご本尊は、右手に錫杖、左手に水瓶を持って立つ、いわゆる長谷寺式十一面観世音菩薩である。
本来の観音さまは右手が施無畏印(せむいいん)、左手は蓮華を持たれて「正観音」であるが、なにしろここは錫杖である。これが特徴である。
この十一面観音、開山の徳道上人が造立して以来、度重なる火災により焼失するが、再造を繰り返してきて、現在の御像は、室町時代の天文七年(1538)に造立された。
くりかえすが、通常の十一面観音像と異なり、右手には数珠とともに、地蔵菩薩の持つような錫杖を持ち、方形の磐石(ばんじゃく)の上に立つ姿である(左手には通常の十一面観音像と同じく水瓶を持つ)。
今度勉強してみると、この盤石座が長谷寺のポイントということがわかった。
観音さまが多くの菩薩大衆に宝盤の上で説法したという由来。
釈尊が亡くなった時に横たわった盤石座、この磐の南北に石つくりの観音像を立てたという故事。
こんなことから長谷寺のご本尊は大磐石の上に立つ姿となった。
右手に錫杖、左手に水瓶で有名だが、実は盤石座に立たれていることこそ大切で、錫杖は二の次、一番は大磐石であると聞いた。
だから、十一面観音の右脇侍(向かって左)は初瀬山を守護する八大童子のひとりの雨宝童子立像(うほうどうじりゅうぞう)だが、キャプションは「大磐石を守護する」としている。
そして左脇侍(向かって右)は、難陀龍王立像(なんだりゅうおうりゅうぞう)である。
こちらも「大磐石を守護する」と書かれているところに、長谷寺の考え方が示されていた。
「観音様のおみ足をさすってお願いした」と聞くが、そこまで行った時は大磐石をよく見てきていただきたい。