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奈良・桜井の歴史と社会

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談山神社のけまり祭

桜井市の多武峰の談山神社は春と秋、けまり祭を行う。境内の一角に青竹を四隅に立てた鞠庭(まりにわ)で蹴鞠(けまり)を奉納する祭である。
神事のあと、京都蹴鞠(しゅうぎく)保存会によってけまり奉納が行なわれる。
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けまりはサッカーのリフティングを思わせるような演技で、平安貴族のような装束にまとい鞠(まり)を順次蹴り上げる。
地面に鞠(まり)が落ちると中断で、演技の連続が面白みである。ラリーが続くと歓声や手拍子の応援も出て、静寂な談山神社はいつになく沸き立つ。
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日本書紀は、「中臣(なかとみ)(藤原)鎌足は専横を極める蘇我蝦夷(えみし)、入)鹿(いるか)の親子の打倒を考え、中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)(天智天皇)と近づきになることを考えていた。そのチャンスが訪れる。法興寺(飛鳥寺)の槻(つき)の樹のもとで中大兄皇子が鞠を打つ、そのとき沓(くつ)が抜け落ち、鎌足が拾う。ひざまずき差し出すと中大兄皇子もひざまずき受け取った」と記している。

このことを大化の改新(645年)の大業成就の始まりとして、この縁(えにし)を大事にして談山神社はけまり祭をおこなっているのである。

日本書紀に記される「鞠を打つ」という競技は、今日のポロやホッケーのような競技だとも言われている。同時に「鞠を打つ、沓が抜け落ちる、拾う」という一連の行為からは、現在の蹴鞠の姿を感じ取ることもできる。
当時の競技の内容はいまでは定かではないが、古代のボールゲームが大化の改新という歴史のなかで役割を果たしたことは間違いがない。
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談山神社はそのけまりの文化、技術を継承している京都蹴鞠保存会の協力で、春のけまり祭を4月29日(昭和の日)、秋のけまり祭は11月3日(文化の日)に行っている。
by koza5555 | 2013-04-30 06:34 | 桜井・多武峰 | Comments(0)
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