7日と8日は十津川である。
十津川は遠い。往時は遠津川と書かれた時期もあるようで、文字通り遠い。
この十津川に行くとなると・・まずは玉置神社である。
玉置神社の本殿である十津川の「大峯奥駈道」と「小辺路」(こへち)は「紀伊山地の霊場と参詣道」に含まれ、世界文化遺産(ユネスコ)に登録(2004年7月)されている巡礼道である。
この大峯奥駈道の大切なポイント(なびきという)は玉置神社である。
社務所と付属する台所、梵鐘が国の重要文化財で、境内の杉の巨樹群は奈良県の天然記念物である。
社務所は杉一枚板の板戸や板壁で仕切られ、この全ての板に幕末の狩野派の絵師による牡丹・孔雀・鸚鵡・鶴などが描かれている。
そして、南側には「御殿の間」があり、聖護院門跡の御座所として用いられたというが・・・ここに座ってみた今日からは、「昇殿禁止」とか、掲示が出るかもしれないが(笑)
玉置神社には大杉の巨樹群がある。
奈良県の天然記念物である。永らく聖域として伐採が禁じられていたため、温暖多雨の気候と土壌に恵まれ、樹齢3000年と言われる神代(じんだい)杉や、常立(とこたち)杉、磐余(いわれ)杉などの杉の巨樹林が残された。
玉置山では枕状溶岩露頭が見逃せない。深海でマグマが噴出して出来上がった異様な巨大な岩が各所にみられる。玉置山を聖域とする根本的な要素はこの枕状溶岩露頭と思われる。露頭の西端の乳岩に白山権現を祀る鳥居があり、この東端には玉石社と呼ばれる地主神の祭壇が設けられていた。
ちなみにこの玉石社のご祭神は大巳貴命(おほなむちのみこと)であった。