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奈良・桜井の歴史と社会

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玉置神社 弓場季彦宮司

留学生モニターツアーの「ゆかりツアー」は7日(土)と8日(日)は十津川だった。
十津川は遠い。往時は遠津川と書かれた時期もあるようで、文字通り遠い。
が、この遠い十津川に・・観光バスではなく、乗用車でもなく、路線バスで入った。
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奈良交通、八木・新宮特急路線バス

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4時間半からのバスの旅である。ウエルカムキャンディを用意した。他のお客さんはうらやましそう

玉置神社のことである。
「大峯奥駈道」は「紀伊山地の霊場と参詣道」に含まれ、世界文化遺産(ユネスコ)に登録(2004年7月)されている巡礼道であることを紹介した。
この大峯奥駈道の大切なポイント(なびきという)に玉置神社が入っている。

この玉置神社で留学生はそろって坐って、弓場季彦(すえひこ)宮司の解説をお聞きした。
玉置神社には事前にお願いをしてあったが、解説用のレジュメ(英語版も!)も用意していただいて、恐縮の限りである。

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時間の制約もあり、宮司はレジュメにこだわらず端的に三つほどにまとめて語られた

①「一番、興味のあるのは襖絵ですか?」と口火を切られてた。
「この襖絵は京の狩野派の絵師によって描かれた。その絵師は修験道の本山である京都の聖護院が派遣した」と解説され、「杉の一枚板で作られた襖絵は、大峯奥駈道があってこそ」ということがよく理解できた。
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②「社の創始は神武天皇に関わる2600年前だが、それは神話のことで」と紹介しつつ、「境内の神代杉の樹齢は3000年で奇しくも同じ頃からのものだ」と言われる。
「寒い山の上でこんな巨樹群が生育してきたのは、太平洋の力だ」とされ、暖かい海風が玉置山に当たり水蒸気となり、適度の温度、適度の湿気に覆われていると説明された。

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神代杉の前でパチリ

海からも玉置山はよく見える。漁民が位置を確認するための頼りの山で、漁業者の崇敬が厚いとのことだった。

③宮司はお祭りの紹介をされた。
◎三柱神社例祭は3月初めての午の日(今年は3月12日・水曜日)である。
熊野稲荷・三柱神社例祭が開かれるが、商売繁盛、五穀豊穣、大漁と海上安全との祈願の人々で賑わうと話された。

◎しゃくなげがきれいで、5月中旬においでくださいとのことである。

◎ポイントは10月24日に行われる例大祭である。
玉置神社の神楽殿には女性は上がれないとのことである。海の神との関係だろうか。
神楽は巫女によって舞われるのが通例だが、玉置神社の神楽、弓神楽(ゆみかぐら)は男性によって舞われるとのことである。
弓神楽に特徴がある。弓神楽は玉置山特有の神楽である。悪霊が宿るとされる鬼門(北東)に向かって弓を放ち、邪気を祓うというものであるが、「大和なる玉置の宮の弓神楽弦音すれば悪魔退く」と詠うとのことである。

修験者でなくても、素晴らしい玉置神社であった。
今年の春、そして秋は玉置神社だ。
一人の方が気楽だが、ツアー作って行くのも魅力的である。
by koza5555 | 2013-12-09 20:45 | 吉野
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