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奈良・桜井の歴史と社会

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今阪屋旅館、宇太水分神社とカエデの郷ひらら

春が来て、菟田野に行きたいと考えていた。カエデの郷「ひらら」と宇太水分神社である。

「カエデなら秋だろう」・・ではあるが、ひららの矢野正義さんは、「秋の紅葉はさまざまだが、春から夏への一斉の芽吹きはすばらしい」と言われるのである。

宇太水分神社も久しぶりに訪れたい。
「こちらなら10月の秋祭」、これも普通であるが、水の守り神として信仰を集めてきた水分神社、田に水を入れる春にこそ訪れてみたいものである。

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宮垣越しのこの紅葉、これも素晴らしい



梅田のNHKカルチャーで、「奈良おいしい歴史散歩」という講座を受け持った。この4月から始まるのである。

奈良のおいしいものを食べて、美味しいところを案内しようという企画である。
講座の初っ端は、「阿騎野の薬草料理」である。
大宇陀には薬草・薬膳料理を扱うお店はいくつかあるけど、今回は今阪屋旅館と決めた。
阿騎野(宇陀市大宇陀)を訪れ、今阪屋旅館にて薬草松花堂弁当を堪能しようという試みである。


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騎野の地で詠まれた「ひんがしの 野にかぎろひの 立つみえて かへり見すれば 月傾きぬ」(万葉集 巻1の48)は、国民の心をとらえた万葉集の代表的な歌の一つである。

この地(菟田野)で、推古天皇が611年(推古天皇19年)に薬猟を行った(日本書紀)と記されている。
持統天皇6年(692年)には、草壁皇子(天武天皇と持統天皇の皇子)の遺児である軽皇子(後の文武天皇)が狩も行っている。この時、随行した柿本人麻呂が詠んだ歌が、この「ひんがしの・・」歌である。
古代から宇陀の赤土には丹が含まれていることが知られており、丹(水銀)は不老不死の薬だとされたが、そのまま食べることはできず、丹は草木を通して摂取できると考えられていた。
菟田(宇陀)のキノコを食べた人が長命を保ったと日本書紀には記されている。

そんな話をしながら、今阪屋旅館で薬草松花堂弁当をいただく。
大宇陀は(古代に)不老不死の力があるとされた薬草が育つ場と言われてきており、この薬草を調理して薬草料理を生み出した今阪屋旅館で、「薬草松花堂弁当」をいただく。

食事の前後は伝統的重要文化財に指定されている大宇陀の町(松山)を散策する、これがふつうのコースだと思うが、午後、菟田野の町(古市場)を訪ね、宇太水分(うだみくまり)神社とカエデの郷ひららを訪れるというコースを考えたのである。

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宇陀・松山・・薬の館。もちろん、こちら辺りは訪ねる計画である

榛原から大宇陀道の駅までは路線バス、大宇陀の松山から菟田野の宇太水分神社まではタクシー分乗、古市場水分神社から榛原へは路線バス・・・面白そうなコースが出来上がった。今度も、たくさんの皆さんにお世話になって、歩けるツアーである。

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これがいまの「ひらら」。カエデの芽吹き、ツアー実施日の24日(金)にはバッチリですか?
by koza5555 | 2015-04-13 17:16 | 宇陀
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