ブログトップ

奈良・桜井の歴史と社会

koza5555.exblog.jp

<   2013年 04月 ( 24 )   > この月の画像一覧

談山神社のけまり祭

桜井市の多武峰の談山神社は春と秋、けまり祭を行う。境内の一角に青竹を四隅に立てた鞠庭(まりにわ)で蹴鞠(けまり)を奉納する祭である。
神事のあと、京都蹴鞠(しゅうぎく)保存会によってけまり奉納が行なわれる。
a0237937_551459.jpg

けまりはサッカーのリフティングを思わせるような演技で、平安貴族のような装束にまとい鞠(まり)を順次蹴り上げる。
地面に鞠(まり)が落ちると中断で、演技の連続が面白みである。ラリーが続くと歓声や手拍子の応援も出て、静寂な談山神社はいつになく沸き立つ。
a0237937_5422947.jpg

日本書紀は、「中臣(なかとみ)(藤原)鎌足は専横を極める蘇我蝦夷(えみし)、入)鹿(いるか)の親子の打倒を考え、中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)(天智天皇)と近づきになることを考えていた。そのチャンスが訪れる。法興寺(飛鳥寺)の槻(つき)の樹のもとで中大兄皇子が鞠を打つ、そのとき沓(くつ)が抜け落ち、鎌足が拾う。ひざまずき差し出すと中大兄皇子もひざまずき受け取った」と記している。

このことを大化の改新(645年)の大業成就の始まりとして、この縁(えにし)を大事にして談山神社はけまり祭をおこなっているのである。

日本書紀に記される「鞠を打つ」という競技は、今日のポロやホッケーのような競技だとも言われている。同時に「鞠を打つ、沓が抜け落ちる、拾う」という一連の行為からは、現在の蹴鞠の姿を感じ取ることもできる。
当時の競技の内容はいまでは定かではないが、古代のボールゲームが大化の改新という歴史のなかで役割を果たしたことは間違いがない。
a0237937_5433892.jpg

談山神社はそのけまりの文化、技術を継承している京都蹴鞠保存会の協力で、春のけまり祭を4月29日(昭和の日)、秋のけまり祭は11月3日(文化の日)に行っている。
by koza5555 | 2013-04-30 06:34 | 桜井・多武峰 | Comments(0)

大和の美仏を訪ねるJTBツアー

28日(日)「奈良まほろばソムリエと訪ねる大和美仏に出会う旅、JTBまほろばソムリエ号」を案内した。35名の参加でほぼ満席である。

出発は近鉄奈良駅上(前?)、行基さん広場である。行基広場は工事中ではあるが、「連休中は臨時開場をする」との記事を読んだばかりである。
a0237937_2212176.jpg


近鉄奈良駅前発、JR奈良駅西口を経て長谷寺、橋本屋旅館での昼食、室生寺、聖林寺、安倍文殊院というコースである。
拝観があり、郷土の食材を利用した精進料理があり、お抹茶もいただき、国宝の数々の菩薩を拝観する。見頃を迎えた長谷寺の牡丹、満開の室生寺の石楠花も楽しめる。すべてが最高で、この時期の奈良県の屈指の豪華ツアーと言い切ることができる。
a0237937_221792.jpg
ツアーが掲載されているJTBの冊子から・・

長谷寺、室生寺はすごい人の動きである。
長谷寺、どんなお祭りでもこれだけの人はでない。室生寺、金堂の拝観に長蛇の列ができて一方通行であることに驚く。
今日はガイドだから写真は撮れない。

3月のJTBツアーガイドの下見会(研修会)の写真をアップしておく。
a0237937_22181730.jpg
先ずは長谷寺の舞台。三月の下見会である

a0237937_2220461.jpg
室生寺の五重塔を持ち上げてみる。三月の下見会である

話すことに忙しく、あまり感想は聞けなかったが・・・
「本もの長谷寺にくることができた」。こういう感想が嬉しい。

質問や感想をいくつか紹介しておく。

「このツアーに参加したかったからエースJTBでホテルを取った」という東京のご婦人がいた。待ちの時間の雑談のなかで、ポツッと言われた。このご意見はすごいし、うれしい。

「友達は京都がいいというが、私はホテルもお寺もすべて奈良」と言われる東京の方ともお話した。
「京都は洗練され過ぎて、箱庭」って言われていた。

「どのお寺に行っても五重塔や三重塔があるのはなぜ。塔の目的は?」との質問があった。「釈迦の遺骨〈舎利〉を祀るために塔が必要」と説明して理解していただいた。
こういうメジャーなツアーは、神社仏閣についての基本的な質問が出てくる。基本をしっかり話して前提を作りながら話さないと、裏話みたいな話ばかりのガイドとなることを痛感した。
これは良い勉強となった。

「大悲閣(長谷寺)とはどんな意味があるのか」。「大悲閣とは観世音菩薩像を安置した仏堂であり、聖林寺はそれを大悲殿という」と解説した。

「あの紫色の花はなに」。応えれなかったが、確かめてみると花蘇芳(はなずおう)だった。紫のきれいな花を群がり咲かせる。花言葉は裏切り(ビックリ。花蘇芳は寺院に多い花である)とのことである。お寺の案内は、草木の勉強は必須である。

最後に、今度のツアーでは室生のことをていねいに話したつもりだ。
室生は秘境、二つの顔があるということを話した。
先ず寒いということ。向淵(むこうじ)にはすずらんの南限群落地がある。昨日ブログに書いたばかりだが、涼しい、寒いというがある。自然はそれを示している。

そして暖かいということである。室生火山群地域、カルデラの中心との説があり、室生寺には雪が降らないという。そsて、室生山暖地性シダ群落が天然記念物に指定されていることも忘れてはいけない。奥ノ院に至る参道わきにも、多数のシダ類が混生していて、イヨクジャク、イワヤシダの暖地性シダは北限である。

寒くて、暖かい・・それが室生である。


参加された方に心からお礼申し上げます。もしもしもしまたの機会があれば、またよろしくお願いします。

さて、JTBツアー、次は5月5日である。花が残ることを祈るが、ひきつづき力を込めたガイドを務めたい。
by koza5555 | 2013-04-28 23:09 | 奈良 | Comments(4)

宇陀市室生の向淵(むこうじ)のスズラン

室生のことを7月にお話しすることになりそうである。
室生を話すとなるとやはり室生寺が軸である。
a0237937_162314.jpg
女人高野 太鼓橋
ガイドの準備で室生寺と龍穴神社、三本木の安産寺などのことを、あれこれ勉強させていただいた。
でも同じ一時間と言っても、ガイドで案内する一時間と座って資料を見ながらの一時間の情報量はだいぶ違う。
講演では景色、建物、仏像が一緒に見ることができない。
講演では歩かないし、中断もないから、一時間といえば一時間分の原稿も必要である。


7月の講演までの室生を見渡してみると、5月に向淵(むこうじ)のスズランが咲く。
そこで、とりあえず向淵のスズラン群生地の見学をしてきた。
a0237937_1625969.jpg
あちこちに葉が伸びてきている(この日は吐山、向渕ともに花は一つも見なかった)
4月27日の午後である。陽が射したり、ヒョウが降ったりで天候は不安定である。「向淵はこんなとこか」と思いながら歩き回ったが、どうもこの天候不順は県下全域のことで、先入観が強すぎた。

近畿地方のスズランは貴重である。宇陀市向淵(むこうじ)と奈良市都祁の吐山(はやま)のすずらん群落地は昭和5年11月19日に国の天然記念物に制定されている。

100万年も前の寒冷期にスズランは南下したという。その頃は近畿地方もスズランに覆われたとみられるが、その後の暖期に死滅、北進したとのことである。
向渕や吐山のすずらんは、①高度が高くて(海抜500mくらい)、気温、地温が低く、温度の時間差が少ない、②北西向きの斜面に生える、地中温度がことさら低い。③斜面の形、風向きなど特異にスズランに有利に働いた(室生村史905ページ)ことにより生き延びたとされている。微妙な言い回しもあるが、高地ならどこにもあるわけでないことが良くわかる。天然記念物として指定されるにはわけがあるのである。

吐山は群落地の近くまで車で入るのは難しい。
向渕は群落地のすぐ下に5台程度の駐車場があるが、そこまでの道がとても狭い。

a0237937_1627726.jpg
向渕すずらん群落地
by koza5555 | 2013-04-27 15:58 | 宇陀 | Comments(0)

JAならけん まほろばキッチン 特選レストランときわ

今日はまほろばキッチン、特選レストラン、Tokiwa(ときわ)で昼食である。
a0237937_20263722.jpg

まほろばキッチンは4月14日グランドオープンであるが、先週は産直レストラン(バイキング)の昼食をいただいた。
その帰りにTokiwa(ときわ)を予約したのだが、直近の空きテーブルは今日という事で、予約してから一週間待ったという食事である。

特選レストラン Tokiwaはフレンチ・レストラン。奈良の農畜産物、JAよりすぐりの旬の素材を斬新で卓越したフランス料理に仕立てます。 まほろばキッチンパンフレットから

産直レストランの隣に併設された特選レストランはテーブル数が10卓、20人前後のこじんまりとしたものである。落ち着いた色調の内装である。

料理は
a0237937_20275266.jpg
大和野菜のテリーヌ・小松菜のポタージュ 
a0237937_20282660.jpg
じゃがいもとふきと鹿肉の生ハムのサラダ仕立て・紅ますのスモークとキャビアルージュ
 
お魚かお肉が選べて
a0237937_20292132.jpg
大和肉鶏のソテー バスク地方のべラード

デザートは
a0237937_20303428.jpg
蘇を使った古代米のロールケーキ・大和のフルーツ・バニラアイス イチゴソース

パンは大和茶のパンと、バケット

美味しくいただきました。サーブなどの習熟を重ねていっそう洗練されたレストランになるように応援します。

2940円のコースをいただいた。ランチなら5040円のコースもあるが、満席のお客はほとんどがぼくらと同じコースのように思われた。
ディナーは5250円、8400円、10500円のコースが用意されている。
by koza5555 | 2013-04-26 21:02 | | Comments(0)

宇陀市 榛原の鳥見山公園

「吐山のスズランか大宇陀のカザグルマの咲き具合でも見に行こうか」とあっちゃんと出かけた。
西峠を越えたあたりで気持がクルッと変わって、鳥見山公園へ。
a0237937_229586.jpg
展望台からつつじ越しに見る額井岳

旧榛原町の町の花は山つつじだった。鳥見山に群生している山つつじである。
このつつじを見ることに急きょ変更である。
浄水場をこえてから、尾根筋のようなところを強引に登っていく新しい道ができている。

鳥見山、春には山桜、秋の紅葉は有名である。そしてなんといっても数千本の山つつじである。榛原からあがり鳥見山に登ってから初瀬までの縦走の道が東海自然遊歩道で、林間コースとして人気が高い。この道もずいぶん前に歩いたことがある。

冒頭の絵のように咲いている花もあったが、特徴的な樹をのぞいてはまだ咲いていない。
a0237937_22104894.jpg

勾玉池のみやまつつじは盛りを越えたという感じではある
a0237937_2211267.jpg


鳥見山公園、神武天皇の聖跡の伝承地としての顕彰碑が建てられている。
神武天皇の東征の足跡を聖蹟として顕彰するキャンペーンが戦前(昭和15年)に行われた。
神武天皇が神霊の加護により大和を平定することができたということで、霊畤(まつりのにわ)を鳥見山の中に立てて、お祀りしたことが日本書紀に記されている。
「この鳥見山はどこか」の争いとなったが、結果的には桜井の鳥見山を霊畤と決めて聖蹟碑が建てられた(等彌神社の南側)。
掃除をしたり、ガイドをしたりでいつも墨坂神社に詰めているAさんはこれが不満で、いまのことであるかのように悔しがるのである。

鳥見山公園、登る道は良くなりました。駐車場はあります。宇陀市の室さんの情報によると5月12日10時からつつじ祭りとのことですが、花の盛りはもう少し早まるような感じもします。
by koza5555 | 2013-04-25 22:35 | 宇陀 | Comments(0)

ベルト型の拡声器

ベルト型の拡声器を買った。ハンドフリーである。
a0237937_21324318.jpg
TOA(トーア)性でボイスウォーカーといい、型番はER―1000。6Wの出力で通達距離は80mでとても強力である

今週の日曜日から始まり、ずいぶんのバスツアーのガイドやウォーキングの案内を引受けた。
20名くらいまでなら肉声で十分だがそれを越えると声を張り上げてという形になる。

僕はガイドの時、一番大切な所は暗誦して頭を上げて話したいと思っている。
しかしながらメモなし、ファイルなしですべてを語るのは無理である。人名、地名、年号などは記憶だけではすべては語れない。そのためにハンドフリーの拡声器がとても有効である。

昨年の12月のツアーでは「奈良まほろばソムリエの会」のベルト型拡声器を使った。しかし、これからのツアーでは機械の段取、ツアーの性格などから会の拡声器が使えない日もある。

そこでアマゾンで調べてみると各種あることが分かった。
TOA(トーア)のものである。「VOICE WALKER ハンズフリー拡声器。身体にフィットする、軽量、簡単装着なベルト型の拡声器です。ハンズフリーで両手が自由になり、店頭販売や観光ガイドなど、あらゆる場面でお使いいただけます」とある。

「そんなん必要?」という声とか、「コストパフォーマンスはどうなの」という気もする。

僕のいまのガイド、講演、ブログは完全に趣味の世界である。でも、趣味だからこそ僕は完璧に準備して完璧にやり遂げようとおもうのである。謝礼が払われるガイドが多いが、しかし計画、勉強、下見などを考えれば、採算は度外視である。プロではないのだから、収支が合うかどうかは考えずに準備できるのだ。

そんなことから、あまりややこしいことは考えるのはやめて、アマゾンでポチッと押して、ボイスウオーカーをゲットした。
釣師が新棹を眺めながら、釣果を夢見てニヤニヤすると同じように、僕もこの拡声器を眺めながらガイドの成功を夢見てニヤニヤしているのである。
by koza5555 | 2013-04-24 22:30 | パソコン・インターネット | Comments(0)

倭建命(ヤマトタケルノミコト)と川端康成

6月に桜井を万葉集でガイドする。奈良交通のツアーである。
檜原神社、井寺池周辺は一つの固まりで話が集中する。

万葉集ではないが、ここは倭建命(ヤマトタケルノミコト)が歌い(古事記)、川端康成が揮毫した井寺池の  大和は国のまほろば たたなづく青かき 山ごもれる 大和し美(うるわ)し  の歌碑は目玉である。
a0237937_0233960.jpg
井寺池堤の川端康成の揮毫による歌碑

今日は歌碑のことにこだわってみたい。まず、この歌碑、低くうずくまるような形が特徴的である。当時の桜井市の観光課長として歌碑の建立にすすめられた米田一郎さん(故人)が「桜井ふるさと散歩」に書かれている。

川端康成が亡くなる三カ月前の1972年1月21日のことで、歌碑の建立に関わる川端康成との現地での会話を書きとめている。
「遠くから見て池の堤の線が截れないように低く据えてください」と川端康成が言い、子どもが登ったり腰かけたりしてもいいとか、秋のススキの穂波の中に碑がうずまるような形も良いのではないか、こんな会話があったと米田さんは紹介している。

歌碑越しにみる奈良盆地、平野の南部である。二上山もみえれば、畝傍山、耳成山、そして葛城山も金剛山も眺めることができる。
そして振り返ってみれば、歌碑が見ている風景は井寺池、そして三輪山である。
a0237937_0244827.jpg


川端康成はこの歌を書かずに亡くなり、歌碑は集字によっ作られた。
集字は「美しい日本の私」(ノーベル賞受賞記念講演)の原稿から行われた。そこまで聞き知れば、この歌碑、感慨も深く、ひときわ光彩を放つといえるのではなかろうか。

ツアーでは、現地でこの歌、この歌碑を紹介するが・・・自筆で紹介パネルを作ることを思い立った。そのためにテキストとはちがうプラスの添削を書道(習字)の先生に受けた。
習字はこれからだが、ツアーは6月、練習の時間はタップリである。
a0237937_0253683.jpg

by koza5555 | 2013-04-24 00:26 | 桜井・山の辺 | Comments(0)

内山永久寺と復元模型

廃仏毀釈の事を考えている。
桜井の所在する安倍文殊院、聖林寺、大御輪寺、平等寺などを語る時、廃仏毀釈が与えた影響はどうしても語らねばない。

廃寺となった天理市の内山永久寺のことも、そのつながりで触れるべきである。
この内山永久寺の復元模型が天理市役所のホールに展示されている。
a0237937_20123981.jpg
内山永久寺の復元模型

天理市杣之内町に所在する、内山永久寺は、五町四方(500m)もの広大な寺院でした。
平安時代の永久2年(1114年)創建したと考えられ、平成26年(2114年)には創建から900年を迎えます。かっては大和の日光とよばれ、多数の建物が立ち並ぶ壮大な寺院でありましたが、明治の廃仏毀釈によって伽藍は消滅し、優れた仏像や仏画、建造物が国内外に流出しました。現在は本堂池だけが残り、その面影をとどめています。
いまは無き内山永久寺を伝え残すために、天理大学歴史研究会の学生たちが復元模型を作製しましたのでこれを公開します。  天理市教育委員会


a0237937_2014521.jpg
残された本堂池

a0237937_20155789.jpg

内山永久寺の正門だった西門跡。杣之内から登ってくると門の跡は切通し状にになっている。

「優れた仏像や仏画、建造物が国内外に流出」とある。
a0237937_20165790.jpg

石上神宮に移設された同神宮摂社出雲建雄神社(いずもたけおじんじゃ)割拝殿(国宝)が有名である。本堂の北側に建てられていた。

東大寺が所蔵しており、奈良国立博物館に寄託(現在非展示、4月22日現在では展示の予定はないとのことである)されている持国天・多聞天立像(重要文化財)は内山永久寺由来のものである。

室生寺の本堂で5月に真言八祖像が公開される。真言八祖像は内山永久寺にも存していたとのことだったが、廃仏毀釈で流出してドイツに渡り、第二次世界大戦の末期、ベルリン民俗学博物館にて焼失したとのことである。

内山永久寺の復元模型、天理市役所ホールにて来年の(2014年)の3月まで展示されるとのことである。一見したうえに石上(いそのかみ)神宮、内山永久寺跡などの散策はいかがだろうか。
by koza5555 | 2013-04-22 21:10 | 桜井・山の辺 | Comments(4)

4月21日の室生寺は正御影供

正御影供(しょうみえいく)の室生寺は石楠花が早くも咲いた。
a0237937_17412269.jpg
可憐な五重塔を背景にしてさきほこる室生寺の豪華な石楠花。

弘法大師が入定した21日(旧暦)に、お大師さま報恩の法要が行われる。
女人高野、真言宗室生寺派は毎月21日に御影供(みえいく)をおこなっているが、4月21日は正御影供(しょうみえいく)で本堂で法要が行われる。
旧暦で21日、それを新暦にあわせて日時を決めている宗派もあるが、室生寺は4月21日に行う。

今年は4月に網代智明新管長が就任したことから、その就任式も合わせて行われた。例年は本坊から本堂(灌頂堂)に向かうが、今年は室生の町を歩き太鼓橋を渡っての入山である。
a0237937_17522684.jpg
太鼓橋を渡る室生寺派の僧侶

a0237937_17531127.jpg
鎧坂を上がる僧侶と参列者、稚児
列を先導し列を守る金棒は室生の村の消防団の幹部である。
僕はツアーの準備で何度も何度も室生寺を訪れてお話を聞いた。
室生寺のお堂を守ったり、受け付けで働く皆さんは室生の人ばかりである。山の中のお寺だもの、それは当然かとは思うが、ほんとうにみなさんが室生寺を好きなことがすごいと思う。「日本の女人高野だが、室生の大切な宝」という感じで、室生寺は深く地域に溶け込んでいる。

正御影供の朝、境内の砂利をならすHさん。寒い朝だったが、汗びっしょりである。いつもは納経帖を受け付けている方だが、いつもいろいろなことを教えていただいている。もちろん、室生の方である。
a0237937_1755189.jpg



さて、石楠花である。本坊のあたりは五分咲以上。五重塔あたりは二分から三分で、連休のさなかに満開となろう。僕も4月28日、5月5日とツアーガイドがあるが5日は少し心配である。
a0237937_17563228.jpg

by koza5555 | 2013-04-21 18:40 | 宇陀 | Comments(0)

記紀万葉と万葉植物図鑑

まほろばソムリエの会が奈良交通とタイアップして万葉集のツアーをすすめているが、僕もこのツアー、①初瀬と桜井、②宇陀、③盆地南部(橿原・田原本、三宅)、④来年だけど藤原宮周辺の4コース8回を引受けた。

このツアーを受けた直後、入手した本は・・・「原色万葉植物図鑑」桜風社発刊、1960年代の本である。著者は小村昭雲さんというが、ご存命かどうか(明治35年の生まれである)である。
a0237937_21284986.jpg

奈良、「もちいどの」のフジケイ堂で幸運にも手に入れた。万葉集の勉強、これが僕のいまの宝刀である。

万葉集で忍阪をガイドする予定がある。
忍阪の玉津島明神にて、古事記の衣通王(そとおりひめ)の
君が往き け長くなりぬ 山たづの 迎へをゆかむ 待つには待たじ を紹介する。

当然、君が行き 日長くなりぬ 山尋ね 迎へか行かむ 待ちにか待たむ (巻2-85)磐姫皇后の歌を合わせて紹介することとなる。

明らかに出所は同じであるが、磐姫皇后の歌は「山尋ね」と書かれており、「山路をさがして」などと解説されている。
ところが元とみられる古事記の歌は「山たづ」とあり明らかな相異がある。しかも古事記には「やまたづは造木(みやっこき)というもの也」と注まで付けられているのである。
a0237937_2175461.jpg
山たづ。開花は今しばらく先か?

こういう時に、この「原色万葉植物図鑑」が力になる。
「山たづは現在のニワトコと解されている」とし、細長い葉柄が対になっていることから、万葉では逢うなどの対の意味にとり、迎えるという行為の枕詞として使うと解説がある。
a0237937_20325311.jpg
対の葉脈を持つニワトコの葉
これで忍阪の玉津島明神にて、右大将藤原道綱母、光明皇后と並んで本朝三美人という衣を通してその美しさが光るという衣通姫(そとおりひめ) の歌が存分に語れるというものである。
君が往き け長くなりぬ 山たづの 迎へをゆかむ 待つには待たじ 
by koza5555 | 2013-04-20 21:30 | 万葉の旅 | Comments(0)