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奈良・桜井の歴史と社会

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南朝 戒重西阿と良円

外鎌山に登ると「南朝忠臣 西阿公之墓」という碑がある。
しばらく前から倒壊していて、こんなふうに寝かされている。
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桜井市の全域で南北朝が激しく闘った史実が残されている。
南朝軍の西阿、子息の良円などが戒重と河合に城を築き、外鎌山、鵄(とび・鳥見山のことか)、赤尾の山城・砦の記録がある。
一方、北朝軍は釜口(天理)に進駐し、さらに細川顕氏は阿部山に陣をしき、南北朝は入り乱れて(阿部山は戒重・河合の南方に当たり、いわば吉野との連絡路が閉じられる形)桜井市全域が戦場となったことが分る。

1337年に三輪西阿は櫟本(天理)にて北朝軍とたたかう。
1340年には北朝軍は開住(かいじゅう)西阿を討つために出兵。西阿は大仏供庄(大福)の年貢を横領。
1341年2月、幕府は西阿追討軍。釜口を奪い、阿部山に陣をしいた
     4月に河合城陥落、7月2日戒重城陥落、西阿らは外鎌山城に移り抵抗したが3日に陥落。
1347年、楠正行らは、出陣の前に後村上天皇に面会、西阿も同席している。「・・・楠将監西阿子息開地良円以下・・・」と太平記巻10に記されているのである。
同年、親子ともども 四条畷戦死した。

西阿を祀った碑は外鎌山に立てられたが、それは昭和45年のことである。

桜井市の粟殿(おうどの)の墓地には、西阿の子息、良円を祀る五輪の塔が建てられているのである。桜井市史の上巻942ページ
「為菩提亡父良円房・・・・・・・正平3年(1348年) 正月五日  願主尼良妙」
とあるらしい。(僕には全然読めなかったが・・・)

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良円を祀るという五輪塔


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戒重城の濠の跡。戒重城は江戸時代の前期に140年くらい織田藩が陣屋として使用、織田藩が芝村に移って廃城。しかし河合城、戒重城ともども明治20年頃までは大規模に濠が残っていたらしい


こうして考えてみると、南朝を助けた桜井(現在)の関係者は多かった。多武峰は無論のこと、三輪、長谷寺なども含めて多くの国民、地侍もその戦いに巻き込まれていったのである。
by koza5555 | 2017-02-03 00:05 | 桜井・多武峰 | Comments(0)

日本城郭大系 

日本城郭大系という本がある。

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この第10巻が三重県、奈良県、和歌山県を対象としている。奈良県分だけでも200以上の城郭遺跡が掲載されていて、なかなか興味深い

桜井市では赤尾、出雲、小夫、戒重、多武峰、外鎌、鳥見山城が取り上げられている。
他にも参考資料として、南朝に属して戦った戒重西阿の六城として、戒重、赤尾、外鎌山、鳥見山、安房、河合城などの紹介もあり、きわめて興味深い。
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鳥見山城要図

さて、奈良まほろばソムリエ検定試験では城郭遺跡がたびたび出題されている。
たとえば、一昨年には「筒井が築き、織田信長の大和一城令で破却された城は」という問題があった。
四択で椿尾上(つばおかみ)城を選択しなければならないが、龍王山、万歳山、布施と紛らわしい名前が並んでいる。
龍王山は十市氏、万歳山は万歳氏、布施は葛城の布施氏で二塚古墳の上にあった、そんなことを知らないと、この問題は手こずりそうである。

今年も城郭問題が出題された。「奈良ホテルの東方の中世城郭は」との設問である。
西方院山城が正解である。
間違いは鬼薗山城、これは奈良ホテルの上(大乗院に)にあり、
桐山城は山添村で、
七郷山城は香芝だった。

こんなことが、書かれているのである。
この本は、まほろばソムリエ試験には大きな手助けになるなと思えた。とくにソムリエ級を受ける人は必読の本である。
僕も、この本は勉強になった。

アマゾンで覗くと「城郭大系」の10巻は、かなりの高額で出品されていたが、これはちょっと特殊で、他巻はさほどでもないし、図書館の利用なども考えることができる。

ところどころに挟み込まれている「研究ノート」というコラムも楽しい。
「城跡探検法」が面白かった。
①ひとりで行け、
②道がなければ上に上がれ、但し遺跡を壊すな、
③現地で地名を聞け、
④ひと回りすると目が開く(行って帰ることが大切)など、
城郭遺跡も古墳も祭などの民俗行事も取材のコツは同じと感心させられる。

中世・近世の歴史を知り、理解したい、奈良の隅々まで眺めてみたい、こうした要求にぴったりとかみ合う日本城郭大系である。

城郭遺跡は、「まほろばソムリエの試験対策」にとどまらず、ツアーやウォーキングの彩りとなり、メインテーマとしても取り組めれる大きなテーマでもある。

今日は読書の感想と読書のおすすめです。
by koza5555 | 2014-04-15 18:05 | 読書 | Comments(0)