長く暮らした東海地方の夏は暑かったが、奈良盆地の夏もまた格別である。
暮らしてみると盆地の閉塞性は感ずるわけで、古来、夏の暑さ、疾病に対する恐怖はまた特別だったと思う。
したがって、奈良の夏はその対策も厳重で念入りである。
なんといってもまず夏越の大祓(夏越のおおはらえ)。
夏を健康に過ごすための神事である。6月30日におこなわれた。
お正月からの半年間についた罪・穢を、自分自身の身代わりとなる「人形(ひとがた)」に託し、その「人形」に種々の災いを吹き移し、身も心も清々しい本来の姿を取り戻す。
人型はわら船に詰められる
祭員、巫女が茅の輪をくぐる。雨の中の神事となった。
常時は拝殿前に、三つ鳥居の形をした茅の輪、杉・松・榊を掲げた大みわ神社独特の、三つの茅の輪が設けられる。
順にくぐる。夏越の祓である。
大神神社は念が入っていて、おんぱらさんもある。
御祓祭といい、奈良盆地では最大級の花火大会である。
摂社の綱越(つなこし)神社では、毎年7月31日に「夏越えの大祓(なつごえのおおはらえ)」が、おんぱらさんとして行われる。
神馬(しんめ)引きや、古歌を唱えながらの芽の輪をくぐる神事が行われ、また紙の人形に名前と生年月日を書き、この人形に罪やけがれを移してお祓いしてもらう。
総じて、奈良盆地は夏の暑さ対策に力が入る。
水無月の夏越(なごし)の祓(はら)へする人は 千歳の命 延(の)ぶというなり
夏越の大祓は2012年、おんぱらさんは2011年の撮影です。
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