人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

奈良・桜井の歴史と社会

koza5555.exblog.jp

ちゃんちゃん祭り

「祭り早いは ちゃんちゃん祭り 祭りじまいは おん祭り」と謡われる、ちゃんちゃん祭りは春の山辺路を巡行する風物詩である。

4月1日、大和(おおやまと)神社のちゃんちゃん祭り。メインの渡御祭は午後1時30分からはじまった。

大和神社を出発するお渡りの、佐保庄の今年の順番は9番である。
9番だと乗馬、甲冑という役割がある。
ちゃんちゃん祭り_a0237937_2282054.jpg

隋身(ずいじん)という子どもの仕事があり、菅のさしは、紫のさしは、産御幣と合わせて大字の役員が付き従う。神輿に3名の割り当てもある。

ちゃんちゃん祭り_a0237937_2295576.jpg
中山の御旅所に差し掛かる最後の坂を上るお渡り、神輿

ちゃんちゃん祭り、僕はいくつかの疑問を持ったままであったが、今日一日、一緒に歩いて三つのことが解決した。
①ひとつは長岡の岬の御旅所のことである。
お渡りは一か所だけ、神輿を降ろして休息する場所がある。それは岸田であるが、その場所こそ長岡の岬(ながおかのさき)だった。

大和神社の御祭神は日本大国魂大神(やまとおおくにたまのおおかみ)で宮中に祀られていたが、崇神天皇の時代に国中に病気が蔓延したため、宮中から外に出されることになった。その地が長岡の岬(ながおかのさき)ということである。その後、現在地に移ったと社殿が明らかにしている。
始めの御旅所は長岡の岬。御神輿が置かれる台があり、左回りで3周半という龍の口の舞が奉納される。
ちゃんちゃん祭り_a0237937_22112699.jpg

②ちゃんちゃん鐘のこともすごい。お渡りは常に鐘を鳴らしながらすすむ。これがちゃんちゃん鐘ときいてきた。
ところが実はそれは俗説で、本来の意味は長岳寺の僧の出迎えの鐘とのことである。
「お渡りはまだか」と長岳寺の僧が出迎えに出る。7度半ののぞきがあり、お渡りが到来する。「きたぞ」と鐘を鳴らす。これがちゃんちゃん鐘という。
いまは、長岳寺の僧ではなくて、列の先駆がその役割を果たす。
ちゃんちゃん祭り_a0237937_221308.jpg

ちゃんちゃん鐘を叩く、先駆。この鐘はお渡りちゅう、ここで、一回だけ叩かれた。

③中山が若宮社で食べる素麺のことである。
いつかの講演で、春日大社の岡本権宮司が、「ちゃんちゃん祭りで一つの大字が素麺を食べる。そのそうめんの食べ方に特徴があり、汁を付けずにわさびを絡めて食べる。これが素麺の中世の食べ方」と紹介された。
これを調べた。そうめんを食べるのは、御旅所を管理する中山の特権とのことである。
あまりおいしくないので、最近は汁を多めにして食べているようである。
ちゃんちゃん祭り_a0237937_22134573.jpg


そんなこんなで、5日ほど大和神社に通った。佐保庄のみなさん、ありがとうございました。
by koza5555 | 2013-04-02 00:06 | 天理・山の辺の道
<< 万葉集で桜井のツアー ちゃんちゃん祭り 佐保庄の宵宮渡り >>