7月19日(金)に奈良の学園前の「楽・元気」で「安らぎと祈りの郷、室生」という講演を行うことになった。
3月に「楽・元気」で「記紀万葉の宇陀」というお話をさせていただいたばかりであるが、それなりの評価(実は大好評)をいただいて、7月に再登板ということである。
今度は「室生寺とその四方の大門」、これを中心に組み立てることにした。
室生は山に囲まれた狭い土地にあり、すり鉢の底のような地形にある。
いまでこそ、電車や車で日帰りであるが、往時は文字通りの秘境、神秘境でその姿が今に残されている。
この室生寺、東は田口の長楽寺、西は大野の弥勒寺、南は赤植(あかばね)の仏隆寺、北は名張の常勒寺(丈六寺)を四方の大門としたと「宀一山(べんいちさん)秘記」が語る(丈六寺縁起)。
室生寺を語るなら、この「四方の大門」を考えなければならない。
仏隆寺、ここは何度も拝観した。大野寺、これも桜を見に行った、磨崖仏の拝観にもうかがった。そこで田口の長楽寺だが、ここはちょっと置いといて、名張の丈六寺を訪れた。
丈六寺
近鉄赤目口駅の近く、その名も名張市赤目町丈六に所在する。
拝観すると住職にお会いできた。「出かける」という住職にいろいろお話を聞くことができた。
「近在のみなさんには室生寺北門として親しまれている。806年には弘法大師空海が室生寺四門のうち北門の霊地として開創し崇敬を集めてきた」と縁起を語られた。
真言宗だが東寺に属していること、以前は真言宗豊山派(当時は室生寺も豊山派)に所属していたこと、室生寺は今でもおつきあいがあり、4月21日の正御影供は室生寺に出仕されたとのことであった。
厚かましく、いろいろお聞きした。大野寺と仏隆寺は真言宗室生寺派であること、長楽寺は今では浄土宗では?などということもお聞きすることができた。
「室生寺、四方の大門」を語る手がかりを一杯いただくことができた。
丈六寺の住職に感謝である。
丈六寺、ご本尊は釈迦如来。
五輪の塔が名張で一番古く鎌倉時代のものという。東大寺創建の良弁僧正の供養塔との伝承である。
五輪の塔は、五輪図形、下から四角形、円形、三角形、半円形、宝珠形を重ねたもので、地、水、火、風、空の五代思想を包蔵した塔婆のことである。
まずは室生の講演である。
で、こうして回りながらお話を聞くと、今度のバスツアーは室生寺、室生四門(仏隆寺がバスが入れない・・)、三本松中村の安産寺というコースを作りたいとイメージが膨らむ。丈六寺さんにも「それはすごい、僕も一役買いたい」と賛同の声をあげていただいた。