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奈良・桜井の歴史と社会

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一瓦一説 瓦から見る古代史

「一瓦一説」(いちがいっせつ)、瓦から見る古代史。森郁夫(もりいくお)先生のご本である。
平成25年5月30日に亡くなられた。

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平成23年7月26日、法隆寺夏季大学、若草伽藍での解説する森郁夫先生


飛鳥寺とか岡寺の案内をすることなった。いやいや現状では、なるかもわからないという程度の話である。
それも、先の先、来年の10月頃から再来年にかけてという、鬼が笑うような先のお話であるが。
そこで、少しづつ整理しようと考えた。

飛鳥寺(飛鳥寺跡安居院)を拝観する。
蘇我氏の氏寺で、日本最古の本格的寺院である。
609年に鞍作止利が造仏したという丈六の銅仏、釈迦如来像は、「飛鳥大仏」と呼ばれ、大幅な後の時代の補修はあるが、国内、最古の仏像とされている。

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飛鳥大仏

飛鳥大仏は写真撮影が自由にできる。
甘樫の丘を望むことができて、「入鹿の首塚」が拝見できる。
飛鳥寺跡から西側には、「槻の木の広場」跡があり、中大兄皇子と藤原鎌足の出会いの打鞠のお話ができる。
それから・・ご住職が解説してくれる。
ツアーならこんな感じで骨格をつくるけど・・・・

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入鹿五輪塔と遠景は甘樫丘


こんな時に「一瓦一説」を読んだ。

飛鳥寺、日本最古の寺院、これに迫るためには、「瓦を見逃す手はない」という、森郁夫先生の助言だった。

この本の冒頭は「瓦を取り上げての本であれば、やはり飛鳥寺の瓦から始めねばなるまい」である。

「崇峻天皇元年(588年)に百済から8人の寺作りの工人集団がはるばる海を渡ってきた。『書紀』によれば『寺工』が二人、『鑪盤(ろばん)博士』が一人、『瓦博士』が四人、『画工』が一人である」、とし
「瓦に関する工人が四人いることに興味が惹かれる。わが国にはなかった瓦作りの技術をもっていることに敬意を表したのであろうか」。

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一瓦一説から・・・ジョイント(玉縁)のない十弁蓮華文。行基式丸瓦と呼ばれるが、その特異の形を、後の時代の行基の名前が冠されている。優れたものはみな行基の発案という後世の命名であろう

飛鳥寺は伽藍配置、瓦などに百済以外(新羅や高句麗)の要素も含まれており、飛鳥寺をつくった蘇我氏は広く渡来人をうけ入れ、自らの基盤を強固にしていったことが見てとれるのである。


飛鳥寺跡・・・大王家、蘇我氏、藤原氏がからみあっており、そう考えれば、このツアーは藤原鎌足を祀る談山神社も回らねばと思えうのである。
by koza5555 | 2014-08-01 18:33 | 読書 | Comments(2)
Commented by 鴨媛 at 2014-08-01 19:24 x
先日の法隆寺夏季大学で、この本を先生の遺作として頂戴しました。
夏季大学や太子道ツアー、
私どもが東京で開催する講座にもご講演いただき
いつもお元気な姿に力づけられたものでした。
kozaさんのガイドと共に、
先生のハキハキとしたお声が聞こえてきそうです。
Commented by koza5555 at 2014-08-03 22:55
鴨媛さん、こんばんは。法隆寺夏季大学でお世話になりました。森先生の写真はあの年、夏の写真です。淡々と話されていましたが、「勉強しました」と感動しました。
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