「奈良おいしい歴史散歩」という講座をNHKのカルチャーで案内している。おいしいものを楽しく食し、そのいわれの場所を訪れたり、近在の寺社を散策したりというツアーである。
講座は半期ごとの募集で、10月からの募集の行程計画の提出期限が今である。
藤原宮址でコスモスを見ながらの和食
紅葉の室生寺をたのしみ山菜料理とか
高取の雛祭を楽しみ壺阪寺で精進料理・・・・
つらつらとこんなものを考えてみたのである。
そういえば、奈良らしい食事と言えば、茶がゆもある。
そこで興福寺境内、塔の茶屋で茶がゆという計画を立てて、さっそく食してきた。
茶がゆ弁当、こんな感じで出てくる。
茶がゆはホテルの朝食でいただいたことがあるが、こういう形では初めてだった。それなりのボリュームもあり、おいしくいただいた。
2160円(税込)である。相席となった京都から来たというガイドが「前は3000円でした。値段が変わりましたが、メニューはあまり変わってません」と教えてくれた。
お店の中。個室になっているが、相席である。
奈良の茶粥は、僧房の斎食(とき)にはじまり、大和の国中はもちろん近国の庶民の間にも広まったもので、古都奈良を代表する味の一つと言えます。
聖武天皇が「僧を召してお茶を賜った。」とか弘法大師が寺々に茶園を設けたという記録もありますが、喫茶が普及しだしたのは、栄西禅師が宋朝から再伝来し明恵上人が栽植されたのが画期となります。この両大徳の教学を受けた 西大寺の叡尊上人が大和をはじめ諸国の末寺に茶園を開きました。
現今では、食生活の変化で茶がゆはほとんど用いられなくなりました。
弊亭主は「温故知新」の意味合いも兼ね、大和名物として遠来のお客さま方に楽しんで頂けたらと存じまして、この奈良茶がゆを主食として供することにいたしました。
塔の茶屋の「ごあんない」から
塔の茶屋