「日本列島人の歴史」 斉藤成也著 「岩波ジュニア新書」である。
日本と日本人の成り立ちをDNAや言語学で研究してみようという本である。
①初めに日本の歴史区分は
ヤポネシア時代、
ハカタ時代
ヤマト時代
平安京時代
江戸・東京時代
どうでしょうか。納得いきますか。
②続いて日本人はどこからきたのか、これが論じられる。
「二重構造説」というのも勉強させていただいた。
旧石器時代、日本列島には南(東南アジア)から渡来してきた。これを縄文人という。
ハカタ時代に入ると北東アジアから大挙、しかも繰り返しの流入が発生する。
北部九州、日本海沿岸、近畿地方などに入ってきた新来者は先住民である縄文人と混血を繰り返してヤマト人が誕生したとされる。
この混血から外れたのがアイヌ人とオキナワ人で、その証拠にアイヌ人とオキナワ人はDNAでつながりがあるというのである。
DNAで見るとこんな図になるそうである
始めの渡来は縄文人。
続いて弥生系新渡来人、それが縄文人と混血したというわけである。
これをさして「二重構造説」というとのことである。
③最近の研究によれば、日本列島におけるコメの栽培は紀元前1000年位までさかのぼるとのことである。
もともとは紀元前500年位からと言われていた「弥生時代」の始めが500年遡ることにもなるのである。
稲作が200年位のうちに九州から東北まで、驚異的なスピードで伝えられていったとの従来の見解は見直されるだろうとのことである。
纒向遺跡や巨大古墳が密集する三輪山周辺に西暦二世紀頃に国の中心が移ったことも間違いないとされ、ハカタ時代は3000年前から1800年前まで問うことである。1200年なれば60世代ほどを重ねるわけで、十分な成熟期間と言えるとのことである。
1200年続いたハカタ時代、縄文人との混血がすすみ、関東までを含む生産力の向上もあり、政権は2~3世紀に国の中心を求めて東に移動、進出したとみるべきで、神武東征もその古い言い伝えが生き続けた名残とされるのである。
これからはハカタ時代1200年、ヤマト時代は500年と記憶して、この言葉も使いこなせるようにしたいものである。