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奈良・桜井の歴史と社会

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談山神社 八講祭

3月の第一日曜日は談山神社の氏子が集まって八講祭が行われる。

氏子といっても阿部あたりの氏子は関係がなく、多武峰の本来の郷中の大字の祭である。


今年は倉橋が担当だった。倉橋と倉橋出屋敷(赤坂天王山辺りをいう)がご奉仕された。

来年は多武峰(八井内・飯盛塚、)、次が下居(針道・鹿路)、横柿、今井谷。生田、浅古、下という順番で、8年に一度、回ってくる。


当番の大字から1老から5老と名付けられる5人の長老が選ばれる。村の役員はピシッと全員が礼服を着用する。

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神社の神廟拝所で斎行される。

はじめに、長老の手により、中央に鎌足公、右に定慧、左に不比等を描いた掛け軸が掛けら

れる。その間、謡曲「尾上の松」が謡われる。

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つづいて、脇立画が掛けられる。寒山拾得(かんざんじっとく)である。その間、謡曲「四海波」が謡われる。

献饌があり、祝詞の奏上である。

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そのあと、一老により、「談山権現講式」という、始祖の栄誉を称える祭文が読み上げられ、「南無談山大明神」の神号が10回、奉唱される。

撤饌、脇立、神影を下ろして祭は終わる。

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この鎌足公の御神影は、一年で、30分だけ公開されるのである。

以上、『桜井風土記』(栢木喜一)に詳細が記されている。

さらに栢木さんは、「八講とは八ヶ大字で営むからだといっているが、これはおそらく法華八講から来たものだろう」とも指摘している。

「民間でかくもていねいな行事が長く続けられてきたことがありがたい」…これが栢木さんの結論である。

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付論するが、

もともとは倉橋の金福寺(崇峻天皇陵の東)の八講堂で行われたが、今は談山神社の神廟拝所で執り行われる。8年に一度の当番では村々では進行も忘れてしまっていて、現在は、神社の神職にノウハウが蓄積されている状態となっている。

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by koza5555 | 2018-03-04 21:37 | 桜井・多武峰
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