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奈良・桜井の歴史と社会

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さる祭り(天理市福住別所)

福住町別所(天理市)の「さる祭り」、今年は12月22日に行われた。


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婆羅門杉の下の坊


従来は12月23日の天皇誕生日の行事だったが、23日は今年からは祭日ではないことから、「今後はそのあたりの日曜日に実施」と変わったそうである。

福住町別所の「さる祭り」は、地区の男子が旧暦の11月の申の日(12月下旬)に集まり、山の神を山の祭祀場へ送る行事である。

もともとは中学生、小学生の男子の行事だった。大将・副将を決め、祭の準備、行事後の炊き込み御飯をつくる段取りまで、すべてを子供たちで差配して祭は行われていたとのことである。

今では少子化の下で、行事は自治会が中心となり、更に女子児童の参加も求めて行事は行われている。注目すべきところは、子どもの祭であるとの趣旨が通されていて、祭の大将、副将は今でも子どもで、大将は勝田君、副将は舛田君だった。

祭は下の坊(バラモン杉のあるお寺 ご本尊の十一面観音像は奈良県の指定文化財である)で準備する。午前8時くらいから、次々と軽トラックが集まってくる。子どもも一緒に集まる。

参加者、役割の分担をするが、主としてはほぼ全員でひたすら縄をなう。縄の長さがポイントのようである。2時間ほど綯い続けて、出来上がった縄が巻かれ、笹竹にかける。


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 小学校4年生の勝田君もどんどん綯っていく

御幣、縄を持ち、山の祭祀場に出発する。掛け声は「せんざい、まんざい、ごくよう、あさめしくった、はらへった」で、意味は不明である。


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山の祭祀場では、祭壇を造り、周りを何重にも縄をかけまわす。


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最後に、付近の木の肌に、「2019.12.23  12回  勝田 舛田」と彫りこんで祭は終わりである。

「里山における水田農耕の守り神信仰であり貴重」として、天理市無形民俗文化財に指定されている。
村の集会場にはおいしい、炊き込みご飯が用意されており、そのおいしさに、図々しくもお替わりまでいただいた。

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by koza5555 | 2019-12-22 17:31 | 天理・山の辺の道
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