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奈良・桜井の歴史と社会

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観音塚古墳(大阪府羽曳野市飛鳥字観音塚)

観音塚古墳(大阪府羽曳野市飛鳥字観音塚)

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横口式石槨

小口の一方に入口を設けた、石造りの箱型の埋葬施設がある。木棺や漆で布を張り合わせた乾漆(きょうちょ)棺などを納める。石室の内部に棺を納めると余分な空間が無くなることから、これを石槨(せっかく)と名付けて石棺式石室とは区別された。

石棺のような箱形の石室に特徴があり、十数枚の板石で底と側、天井を組み立てる。安山岩や凝灰岩などを切石として使い精巧な造りとなる古墳石室が多くみられる。

石槨の前方に、横穴式石室のような前室や羨道を設けたものも存する。

被葬者は原則、一人である。

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こうした横口式石槨の典型的な古墳が大阪府羽曳野市飛鳥に所在する観音塚古墳である。

奈良県に残る石槨古墳、巨勢山323号墳(御所市)や寺崎白壁塚古墳(高取町)を考える時、観音塚古墳の見学が土台となると思える。

観音塚古墳の概要

鉢伏山から派生する尾根上に立地する。飛鳥千塚古墳群と名付く群集墳に属する。ぶどう園として利用され、土地が改変され墳丘の形・規模は明確ではない。径13㍍の円墳とみられる。7世紀中葉の築造である。

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埋葬施設

石英安山岩(周辺で産出)の切石を組み合わせた横口式石槨である。石槨部、前室、羨道で構成されている。

石槨部は身と蓋の2石で構成され、天井石の内側を屋根型に整形、これは家形石棺の形状と同じである。石槨部の南小口には扉をはめ込む段がある(扉石は失なわれている)。

前室は石槨部入口に密着して、石槨部の床面に高さを合わせて切石が置かれる。前室入口は階段状の敷居石が設置された後、両側に柱状の石材を立て、梁石を架け渡している。こちらにも扉がはめられていたとみられる。前室の壁面は東面に7石、西面に8石の切石をモザイク状に隙間なく精巧に組み合わせている。こうした高度な石積み技術は、周辺のオーコ8号にも見られる高度な石組みである。

石槨部の構築には高麗尺(一尺が約36センチ)が使われたとの説がある。

明治以前から埋葬施設は開口しており、副葬品は失われている。発掘は実施されていない。

石棺(内法長1.93m・幅0.92m・高0.78m

前室(長2.45m・幅1.44m・高1.65m

羨道(長2.27m・幅1.47m

近鉄南大阪線上大師駅から、徒歩で15分もあれば到達できる。お勧めである。

観音塚古墳(大阪府羽曳野市飛鳥字観音塚)   _a0237937_17500047.jpg


by koza5555 | 2025-12-01 07:45 | 大阪とか京都
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