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奈良・桜井の歴史と社会

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2015年 07月 27日 ( 1 )

箸中の野口たんと杉本区長

7月26日(日)、桜井市箸中の野口たんが行われた

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まずはツノの飯。「型が残っていて助かる」とおばあちゃんの言葉。四隅をツノのように立てる

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祭の主人公、17歳の少年が絵をかく。絵は黒牛と唐鋤(からすき)と決まっている。牛を描いたのは北島君(16歳)、唐鋤を描いたのは中森君(15歳)である

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小麦ワラで蛇体を作る。龍ともムカデとも言われていた。綯っていくのだが左右に突起が出るように編んでいく。麦ワラは稲ワラのようにはいかなくて、要所・要所を麻ひもで縛っていく。お年寄りも作り方を忘れており、北島君のお母さんが手際が良い。お聞きすると「DVDを見て何度も練習した」とのことである

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ツノの飯とさし魚(サバの開き)の特殊神饌である

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祭の進行はほら貝によるため、ほら貝の練習も必須である。「ほら貝の吹口が壊れていて修理しました」と区長夫人のことば


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祭祀後の記念写真、北島家と中森家、区長夫妻など

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ほら貝を吹きながら井寺池にむかう

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耳成山、畝傍山、その先は金剛・葛城山

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井寺池に青竹を立てる

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神上のアオキ(栴檀)に勧請綱を架ける。牛と唐鋤の絵も供えられる

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「この樹は守りたい。この地も守りたい。ここは大字箸中 字神上と言い、土地の名前に神様の文字が使われている貴重な土地で、この地を守りたい」と杉本区長が思いを語って、これが祭の〆だった。直会があるが、一般はこれでおしまいである。

祭の主体は数えで17歳の少年(高校一年生)のお祭りで、今でも少年と家族でその祭を行うのである。
17歳の少年と家族だけのお祭りというところがすごい。
村のお祭りは宮座であったり、それが成り立たなくなり、今では村(区)の行事になったりしているのであるが、箸中は「該当の少年がいない年は野口たんはやらない」と徹底している。

7月に入って、箸中の杉本さんから電話が入った。箸中の杉本区長の奥さんである。
「今年の野口たんはやります」ということである。楽しみに待って、そして始終を拝見してきた。

箸中の野口たん、「これは村の男が大人になるための祭で、祭が終われば町に遊びに出かけても許された」(箸中のご老人)というような、大人への村の通過儀式だった。



参考文献は
奈良県祭 行事報告書  2009年
和州祭礼記 辻本好孝
桜井市埋蔵文化財センター 「ちょっと寄道 箸中の野口さん」

by koza5555 | 2015-07-27 22:34 | 桜井・山の辺 | Comments(0)