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奈良・桜井の歴史と社会

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旅の流儀 玉村豊男

「旅の流儀」玉村豊男である。中公新書から、2015年6月15日刊行、新刊本です

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旅とは何か、旅館の食事から解きおこす。

「都会に住む人口が田舎に住む人口を上回った。その頃を境にして、旅館の食卓の風景が変わったのではないかと、私は考えている。」
「山の中の宿に泊まったら、鹿の刺身と猪鍋と、近くの川で獲れたイワナの塩焼きが食膳にのぼった。あたりまえだといえばあたりまえだが、新しいと言えば新しい。つい最近まで、どんな山間の旅館でも夕食にはマグロの刺身が出るのがあたりまえ」。

非日常の経験が旅というもので、「ライフスタイルの都会化が旅館の食卓の風景を変えた」とある。

「私たちは山に住んでいるから山の風景が好きだが、旅に出るときは海の景色を見たいと思う。どんなに素晴らしい山の風景を見ても、家にいるときとあまり変わらないので、旅をしているきがしないからだ。山に住んで、ときどき海辺を旅をし、誰かがさばいてくれるおいしい魚を食べるのがいちばんよい」。


「風評被害」の話もあれこれで、これがおもしろい。
たとえば、天気予報である。
天気予報により旅の準備を変え、さらには行先も変えたり、これは普通のことである。
雨や風が強くなりそうというと、観光地の影響は大きい。天気予報が外れて、実際は晴れでも取り返しがつかないし、降りもしないのに雨と言われた時の落胆は大きい。
「天気予報は晴れる日に『お出かけ日和です』と言うのはよいが、雨の日も『雨に濡れた緑は美しいですよ』とか・・・人が出かけるような言葉をかけてくれないだろうか」。

奈良の寺社・旧跡を歩く僕のツアーでも、これが難題で雨の予報で参加者が激減ということもあるのである。今後は、お誘いのチラシでは、雨のとき、雪のとき、どこが、どんなにすばらしいか・・これを、必ず書こう。
そうは言っても、「ウォークの雨が嫌い、雨は危険」という方は来ないかもしれないが(笑)。

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今年の5月の葛城山は、雨上りの素晴らしいツツジが見れた。。雨の予報で土曜日だったが、ロープウェイも楽に乗れた。素晴らしい霧の中のつつじであるが、快晴のつつじを何度も見ていれば、これはこれで新鮮なのだが・・・評価はなかなか難しい


さて、安全な旅、これに心がけねばならない。
「団体旅行を成功させるということは、金魚鉢の水をこぼさずに運ぶということである」と、若いときの添乗員時代に教えてもらったとあり、身に染みていると紹介されている。

最後に、「観光は平時最大の産業である、といわれる」と述べている。
戦争と比較してであるが、「戦争はなくなることがあっても、観光は決してなくならない」

ちょっと、僕の意見をさしはさめば、「戦争はなくならいし、観光もなくならない」であるが、「だからこそ、平和と安心を求めて、どこか心の休まる場所へ、できれば心を楽しく浮き立たせてくれる場所へ、出かけて行こうとするに違いない」


ガイドをやってみようかなという方、「ぜひ読んでほしい」、そんな本である。


ほうらんや 8月15日、昨日、斎行された

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8月15日は橿原市の東坊城町のほうらんや。お昼に春日神社に奉納し、夕刻にかけて八幡じんっじゃへの奉納のである。東坊城8垣内の祭りで、松明は6垣内が参加する。
お盆に家を出られる方(けっこう出にくい日ですけど ( 笑 )、せひとも、一度 お出かけてください

by koza5555 | 2015-08-16 11:37 | 読書 | Comments(0)

ほうらんや火祭

とにかく暑い、その中を大きな松明が練り歩いてさらに熱い。
大きさも半端ではなく担い棒を三本も差し込まないと上がらないような巨大松明もある。
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春日神社、弓場の大松明である

8月15日は橿原市坊城の「ほうらんや火祭」である。
お盆のさなかである。それなりの覚悟を決めなければ、なかなか出にくい日である。
ほうらんや火祭は、いつも早くから計画を立てるが、昨年は旅行、一昨年は体調が不調で15日は頭が上がらないという状態で断念、今年が念願の初拝観である。

お祭りの全容は橿原市のHP、ほうらんや火祭に詳しく記されている。

昭和57年3月に県の無形民俗文化財に指定された「ほうらんや火祭」では、橿原市東坊城町内の5地区(弓場・川端・大北・万田・出垣内)と隣接する古川町の6つの字から大小あわせて16個の大松明が神社に奉納されます。
練りだした大勢の村人が、大きいもので直径1.5m、高さ3m、重さ450kgを超える松明に火をつけて担ぎ出し、八幡神社(東坊城町)と春日神社(東坊城町)の境内を担ぎ回る勇壮でにぎやかなお祭りです。
神社境内に担ぎ込まれた松明は、順番に境内を右まわりに火をつけずに1周、神前からとられた火をつけさらに2周し、最後に拝殿前に奉納されます。

橿原市のHP ほうらんや火祭

午後一時から曽我川右岸の春日神社、午後3時から曽我川左岸の八幡神社で火がつけられた松明の境内を練り歩く。

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春日神社の宮本である弓場は境内で松明を作る

松明は竹、藁を軸に作っていくが、松明の穂ともいえるところは乾燥しきった軸付きの菜種殻である。
菜種殻は菜種油を採ったころはどこにもあったが、今ではほうらんや祭に菜種を作付けして、採りいれ、乾燥、保管という作業があり、準備は一年掛とのことである。

春日神社では一番の奉納、一番の松明の境内まわり(練り)は、宮本の弓場と決まっている。
大松明に先立ち、一人で担う小松明。ほうらんやは虫送りの一種という声もあるが、成人儀式とも思えるような小松明である。
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小松明も境内一周、さらに火をつけて2周である

境内入り口まで回って勢いを示す。民家の屋根が火に染まる。
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東坊城あげての素晴らしい夏祭りである。


ところで12月の「平野南部」という万葉集のツアーは御厨子観音などを除くと、雲梯(うなて)、真菅(ますが)、百済(くだら)、三宅町と曽我川を下るツアーとなっている。
これらの地と比べて、ほうらんやの坊城は最上流である。それも春日神社は曽我川右岸、八幡神社は曽我川の左岸で、いかにも曽我川をからめてのお話でツアーは盛り上がりそうな気がするが・・・
by koza5555 | 2013-08-15 23:24 | 橿原・明日香・御所・吉野 | Comments(4)